退職を巡るご相談を頂くことが増えていますが、
以下の内容を実感しています。


退職問題は非常に重要な課題です。


会社の対応を誤ってしまうと、
後々、更なるトラブルや出費に発展するだけでなく、
社内の一連の雰囲気は他の従業員に伝わり、
悪影響を及ぼすことも多くあります。


場合によっては、
退職した労働者が何らかの法的なアクションを起こすことで、
(あっせんや労働組合の団体交渉、労働審判、訴訟等)
その解決のために、会社、経営者側が
多大な労力や費用を捻出していかなければならないこともあります。


労働者がインターネットや書籍で簡単に情報を得られる時代であり、
法令遵守、コンプライアンスに関して、
経営者の皆様が認識を変えていかなければ、
コロナ禍や戦争を背景とした現在を生き抜くことは
簡単ではないと私は考えています。



日頃から、
会社と従業員が一体となり、
同じ目線やベクトルで、
会社の発展に向かっていれば、
その様な企業様は労務管理も円滑な事例が多いため、
退職後のトラブルも起きにくいです。


万が一、
従業員側の勝手な言動
(例えば無断欠勤の継続など)があり、
それらの原因の不当なものであった場合でも、
その従業員が会社に対して、
なんらかの大きな不満を持ったまま退職されると、
間違いなく、後々、大きなトラブルとなります。
(例①  莫大な未払い賃金がある)
(例②  退職勧奨は強要されたもので、何月何日、誰に無理矢理、退職届を書くように強制された。だから自己都合退職ではないと労働者から主張される…など)


問題を回避するためには、
トラブルの元を出来る限り排除し、
万全の体制を構築していなければならないでしょう。


未払い賃金に関しては、客観的な事実が存在し、
例えば労働者が
労働基準監督署にその事実を相談したため、
監督署の指導や是正勧告の対象となった際には、
支払うよりほかに解決策はありません。


また、「自然退職」「退職勧奨」
「諭旨解雇」「懲戒解雇」の取り扱いは
決して簡単ではありません。

 

そのためには、
日々の労務管理や、
初期のトラブル対応が重要なのですが、
【退職時の対応】を誤って、
更なるトラブルを増大させることは
最大限に回避するべきです。


解雇の場合だけではなく、
自己都合退職であっても、
例えば非正規雇用の雇い止めなどの対応、
手続きを誤った場合、大きなトラブルの原因となる可能性があります。


また、退職時のトラブルというのは、
退職する従業員だけではなく、
雇用を継続する従業員の皆様にも大きな影響があります。
 


退職のトラブルから社内の雰囲気が悪くなることもあり、
結果、他の従業員の離職に繋がるとか、
新しく従業員やパートさんアルバイトさんが確保できず
人手不足に陥ってしまい、
最終的に業績が落ちる場合もあります。


退職トラブルの対応が難しいのは、
 
① 「労働基準法、労働契約法、基本手当の受給に関する雇用保険法などの法律、民法(場合によっては民事訴訟法を含む)、
退職する社員が労災に絡む事案がある、
または傷病手当金の受給などで社会保険の手続きも必要である等の法律、手続きから考察して対応する必要性」

②「人の感情」

これらの、
非常にデリケートな部分が2つの軸となる問題であり、
双方を加味して解決していかなければならない事案ですので、
それゆえに慎重な対応が必要だと私は考えています。


充分な配慮、注意のもと、
適切な対応をしなければならないと考える点から、
手遅れになる前に、
信頼できる専門家へのご相談をお勧めいたします。

(2022年3月  Instagramに投稿した記事になります)