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社会保険料の控除と、4月から料率変更の注意点について

3月末で退職の社員さんがいらっしゃる企業様も多い時期と存じます。


退職月の保険料控除について、日本年機構のホームページをリンクしておきます。




社会保険料は、当月控除または翌月控除のいずれかで控除がなされますが、給与計算実務では、翌月控除のケースが多いと思います。
 

退職日が月末であった場合、退職月に限り、二ヶ月分の社会保険料を控除することが可能です。


3月31日退職、末日締め、翌月25日支払いの給与計算の場合でご説明しますと、


・2月分の社会保険料→3月25日支払いの給与から社会保険料を控除
・3月分の社会保険料→4月25日支払いの給与から社会保険料を控除
という仕組みですが、  
「3月25日のお給料から、二ヶ月分の社会保険保険料の控除が可能」ということになります。 
しかし、翌月分の給与から社会保険料を控除して、給与自体がマイナスの金額にならない場合は、末日締めであれば、翌月控除で問題ない場合もあります。


なぜ、二ヶ月分の社会保険料控除が可能であるか?の仕組みにつき、先日ご説明をさせて頂く機会がありましたので、コラムにも掲載しておきます。


例:20日締め、当月25日支払いの場合
このような締め日で給与計算をしている場合ですが、

・2月分のお給料→1月21日から2月20日締め、
2月25日支払い
ここで、前月1月分の社会保険料を控除。


・3月分のお給料→2月21日から3月20日締め、
3月25日支払い
ここで、前月2月分の社会保険料を控除。


そして、
◾︎3月21日から3月31日の給与からの控除◾︎
この締め日で計算した場合には、退職していますが、給与計算の締め日は4月20日となります。
実質10日分の3月分の給与は、4月25日に支払われることになります。


しかし、実質10日間のあいだに土日もあり、日割り計算などにもよって、通常の月額給与の額より、4月に受け取る給与の金額は少なくなります。

この4月に受け取る給与の額から、社会保険料を控除すると、場合によってはマイナスの額になる可能性があります。


仮に、10日分の日割り計算で計算した3月21日から31日の給与、4月25日支払いの給与の額が3万円とします。
控除する3月分の社会保険料、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料の合計を、仮にここで4万円とすると、この事例では1万円の不足となってしまいます。


また、社会保険料には、日割り計算という計算方法は存在しませんので、上記の場合も、まるまる1ヶ月分の金額が控除されます。


その場合に備え、
★「上記のような締め日と計算方法のような例であれば、2月21日から3月20日締め、3月25日支払い分の給与から、2月分、3月分の社会保険料を退職月に限り、控除することが可能」という仕組みです。★


★3月31日退職の場合、健康保険、厚生年金の資格喪失は4月1日となります。3月31日まで、病院にかかる場合、保険証は使用出来ます。★



★★★ご注意!★★★
翌月控除する場合、つまり、3月21日から3月31日までの給与を、4月25日支払いの給与から社会保険料を控除する場合は、3月分の保険料率から料率が変更となります!


協会けんぽホームページより


年度末で保険料率も変更となっておりますので、今一度、ご確認くださいませ。


酒井世津子社会保険労務士事務所