こちらは、2022/03/31、
Instagramにアップした投稿と同じになります。

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愛媛県松山市の特定社会保険労務士、
酒井世津子です。

前々回、
改正育児介護休業法について投稿しております。

その内容の続きとして、
【厚生労働省育休復帰支援プラン策定のご案内】
従業員の育児休業取得・職場復帰を支援する中小企業のみなさま
「育休復帰支援プラン」策定マニュアル

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000067027.html

こちらを今回アップしておきます。

4月から段階的に改正される 育児介護休業法の対応に関しまして、
厚生労働省の「復帰支援プラン」策定マニュアルもご活用されつつ、
企業様や社員の皆さまが、
「仕事と家庭の両立」という課題をクリアなさっていけます様、
社労士として願っています。

また、育児介護休業面で理解ある企業様は、採用や定着の面でも、より良い求人応募に繋がっていきますので、
改正を機に、採用や人財確保の面でも
効果が期待出来ます様、
社労士としてお手伝いが出来ると嬉しく思います。

詳細な策定マニュアル115ページのほかに、
各種様式もありますので、
上手にご活用いただくことによって、
改正育児介護休業法にマッチした状態で
実際に運用しやすくなると思います。

補足として申し上げますと、
就業規則や、
育児介護休業の規程を改定する場合は、
「会社の実態にあった内容かどうか?」は慎重に見極める必要性があります。

就業規則について、
簡単に少しまとめてみます。

就業規則は、
「会社のルールブック」などとよく表現されます。

まず、法律上の就業規則の位置付けから考えてみます。

労働基準法第89条の規定に
「従業員10人以上の会社は、
就業規則を作成し、行政官庁に届け出ること」が義務付けられています。
(労働基準法 第89条)

届け出が義務付けられている就業規則とは、つまり、
「国が会社に約束させるもの (法律)
→会社が法律を守るためのルール 
→結果的に就業規則で定める会社のルール」という解釈になります。

となると、
「会社と社員の『ためだけ』のルールブック」とは、
目的や趣旨が違うものとなる一面があるのです。 
(法律的な視点が抜け落ちてしまった場合のことを意味しています)

そこを勘違いして、
就業規則とは
「会社と社員のためだけのルール」だとの思いから、
「古くても問題はない」
「○年前に専門家に作って貰ったから間違いない内容の筈」
というケースに時折、遭遇しますが、
そうではなく、就業規則というのは、
「国と会社のルール」
つまり、法律的な視点が非常に重要なものでもあるのです。 

ですので、 
就業規則の作成や改定を依頼された際に、
専門家(弁護士や社会保険労務士等)は、
社長や社員の思いや、
企業様独自のルールだけを見て作っているわけではありません。

また、
「せっかく作った就業規則なんだけど、分かりづらくて読み難いから、
誰も目にせず、保管されたまま」

これでは、企業様・社員様にとっては、
全く意味のないもの…となってしまいます。

就業規則は、労働者に周知する義務があります。

(労働基準法 第106条第1項、労基則52条の2)


上記の状況を踏まえて、
私は、就業規則作成や改定の際、
必ず、改正された法律と、
各企業様の実態がマッチした内容になっているか、
その辺りを充分にヒアリングした上で、
就業規則に企業様、社員の皆様の実態や、
それぞれの思いが反映され、
運用しやすい様な中身で、
分かりやすい内容で作成することを
最重要視しています。

労務管理の結果、目標達成に繋がり、
助成金を申請していきたい場合は、
そちらを見据えた内容に合わせています。

また、私の場合は、
労務管理がリンクする内容の様式
(紙ベースまたはオンライン、データ管理可能な媒体)
をプラスアルファに加えて導入し、
就業規則・規程に合わせる形で
完成させています。

法律的な視点の話の続きになりますが、 
労働基準法は、
条文はとてもシンプルな法律です。

そして、労働基準法は、
条文に基づいた判例と通達で解釈されます。
判例や通達で、行政の判断や指導の基準が決まります。

専門家が、「解釈総覧(コンメンタール)」を熟読しているのは、それが主な理由です。

時代によって判断基準が変わると
判例や通達も変わります。
昔はよかったことなのに、 
今は違う…それはなぜ?となるのは、
これらの理由です。

育児介護休業法も似た側面がありますが、
育児介護休業法の場合は、
施行規則も考慮しながら、
各企業様、社員様が運用しやすい就業規則や規程の作成を心がけています。

4月からの改正育児介護休業法、
より良い形で導入が進みますことを
願っています。


酒井世津子社会保険労務士事務所