同一労働同一賃金 派遣社員の場合に於ける労使協定方式について

労働者派遣法の改正、そして同一労働同一賃金の施行に伴い、2020年4月1日から、派遣労働者に対しても適用される同一労働同一賃金のうち、今回は、「労使協定方式」について、コラムで記載しておきます。


派遣先均等・均衡方式につきましては、次回のコラムにまとめたいと思います。


・ご参考
厚生労働省 同一労働同一賃金特集ページ



・厚生労働省  同一労働同一賃金 
 働き方改革特設サイト



・厚生労働省ホームページより
労働者派遣法の改正



・労使協定方式について①Q & A



・労使協定方式について②Q & A その2



◆労使協定方式は、派遣先均等・均衡方式に比べますと、事務処理の面での手続きが簡易であるというメリットがあります。


均等・均衡方式については次回のコラムで詳細を記載する予定ですが、簡単にご説明を致しますと、


◆均等・均衡方式とは、
「派遣先の社員と同じ内容の業務を行い、また、業務内容の変更の範囲、配置転換においても範囲が同じである派遣社員については、派遣先の社員と同じ賃金の支給が必要となる方式」です。


従いまして、賃金制度の見直し、再構築、人事評価、労働者派遣契約、各種手当の見直し、諸規定その他から改革する必要があると言いましても過言ではなく、入念な準備のもとで詳細に規定を定めて行く必要があります。



◆労使協定方式におきましては、派遣会社が、派遣社員の待遇に関することにつき、
「厚生労働省が毎年6月から7月に職種毎で定めている賃金額以上とすることを定める労使協定を、派遣会社の労働者の代表と締結し、対応する方式」
です。


しかし、上記の労使協定の締結に関し、なんらかの不備があれば行政機関から指導の対象となる可能性があります。
また、労働者側の代表とする派遣社員の選定方法にも、不適切な選任方法は回避するなど、慎重になることが重要です。
適切な選任者がいない等や、意見が錯綜し、労働者の賛同が得られない場合は、労使協定の締結自体が困難になる可能性もあります。
更には、締結した労使協定を遵守しない場合には、労使間のトラブルや、紛争等に発展するリスクも考慮するべきでしょう。


上記の他に、派遣会社側が必要とされる諸事項としましては、
・労働者派遣契約書の修正
・派遣元管理台帳の修正
の上で、
・派遣社員との労使協定の締結


手続きとしましては、このような流れになります。


以上、簡単な説明になりますが、ご参考になれば幸いです。
労使協定方式の詳細は、厚生労働省ホームページで入念なご確認の上、慎重な諸手続きを、派遣社員の方々と公正な同意、双方ご納得の上で締結されること、ご不明な点は、専門家のアドバイス等を受けた上でのお手続きをお勧めいたします。


酒井世津子社会保険労務士事務所