【メンタルヘルス】相談窓口があっても声が上がらない理由と組織の課題



【メンタルヘルスとハラスメント
「相談窓口があっても、なぜ『言えない』のでしょうか?】

こんにちは。
愛媛県松山市の酒井世津子社会保険労務士事務所です。

メンタルヘルスとハラスメントには、大きな相互関係がありますが、今回は相談窓口があっても機能していない事例について検討してみたいと思います。


ハラスメント対策として、
・相談窓口の設置
・通報フローの整備
・研修の実施
・ヒアリングの実施、事実関係の確認
・改善に向けた取り組み

このような内容で、取り組み方を整備ならびに策定している企業様が増えていると認識しています。

しかし、実務を行っていると、このような本音が聞こえてきます。


「会社として、当然に相談窓口を設けていますが、活用とする社員がいません。そしていきなり休職や退職の申し出があり、利用を聞くとハラスメントがあり、それも退職理由の1つであると・・・」


相談窓口を活用する社員がいない事例の本音は、
「制度や相談窓口はあります。でも、実際には言えないのです。」



これでは、せっかく立ち上げている相談窓口は全く機能していないこととなり、ハラスメント事案の予防や改善解決には繋がっていないことが明確です。



「利用者がいない」
大きな原因は、「言えない心理」
この背景には、共通するものがあります。


人が恐れているのは、現状で発生しているハラスメントそのもの以上に、
「声を上げた後に起こるかもしれない、『二次被害』」
なのです。



【二次被害について】

• 関係が悪化するのではないか?
• 万が一、加害者から報復行為があったらどうすればよいのか不安になる。
• 「扱いづらい人」だと思われるのではないか?
• 評価や、今の立場に影響が出るのではないか?
• そもそも、事実としてきちんと聞き入れてもらえるのだろうか?
• プライバシーは守られるのだろうか?
•話しても、改善しないのではないか?

このような疑問や不安がある時に、人は、「沈黙」という選択を、きわめて合理的に選んでしまいます。


特に、
メンタル不調でエネルギーや体力
が落ちている時や、相手との力関係(パワーバランス)に差がある時ほど、
この恐怖心や不信感は倍増します。



その結果、
「自分が我慢すればいい」
「自分に我慢が足りないのではないか?」
「気にしすぎなのだろうか?」
「大したことではない…のだろう」
「相談しても変わらないのではないか?」
「自分が話すことで、事態が大きくなる事は回避したい」
「叱られる。自分に落ち度があるのだろう。自分が悪いのだろう。」
などの心理や思考に至り、
発生している問題を、自分の内側に閉じ込めてしまうのです。


しかし、これでは、せっかく相談窓口を設置しても、「機能している」という評価は難しく、
ハラスメントを撲滅していこうとする取り組みに対して、全く効果がありません。



社会保険労務士として、お伝えしたいことがあります。



【メンタルヘルスとハラスメントは、地続きの問題です】

窓口が「存在している」だけでは機能しているとは言えません。


「発言しても不利益が起きないことを心から信じられる構造」
これがあって初めて、人は意を決して動き出すことが出来るのです。


ハラスメント対策を考えるとき、
「なぜ起きたか」と同じくらい、
「なぜ言えなかったのか」
という背景や原因を考えることが重要です。


この視点を持つことが、本当の意味での「安心できる職場」への第一歩になると信じています。


この部分は、「心理的安全性」などの分野と大きく関わってきますので、次回のテーマとして投稿していきたいと思います。


インフルエンザも流行っておりますね。
ご自愛のほど良い週末をお過ごし下さい。


(ご相談や、セミナー研修講師なども承っております。お気軽にコメントまたはメッセージでご連絡ください)

(写真は、今月、当事務所内で活けている花です)


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